湊川神社
湊川神社(みなとがわじんじゃ)は兵庫県神戸市中央区多聞通にある神社です。主祭神は大楠公こと楠木正成公で旧社格は別格官幣社です。建武の新政の尽力した南朝方の皇族や武将を祭ったいわゆる建武中興十五社のひとつとされ、地元では親しみをこめて「楠公(なんこう)さん」と呼ばれ、初詣でも有名です。
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大通りに面した正門 |
大阪府の千早赤阪村にある
楠木正成公生誕の地や楠木氏の氏神である
建水分神社(たけみくまりじんじゃ)が山腹にあるのと違い、三宮や元町の西、ハーバーランドから程近く、神戸市立中央体育館や神戸地方裁判所、神戸文化ホールが傍にある街中に鎮座しています。
歴史と御祭神
楠木正成は河内国で永仁2年(1294年)に生まれたとされ、元弘元年/元徳3年(1331年)後醍醐天皇に応じ挙兵し、河内を本拠として戦い鎌倉幕府倒幕に貢献しました。その後、後醍醐天皇の建武の新政に反旗を翻した足利尊氏を西国に追いやりますが延元元年(1336年)九州で体勢を立て直した尊氏が大軍をもって京に攻め上ってきます。これを京の都で迎え撃つ策は容れられず、新田義貞らとともに摂津国湊川で迎え撃ちますが敗れ、弟正季とともに自刃しました。
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正面から見た湊川神社 |
「七生滅賊」を誓い殉節した誠忠の正成公は多くの人に慕われ、墓地は豊臣秀吉の検地の際は免租地に、江戸時代には尼崎藩主青山幸利(あおやまよしとし)によって松と梅が植えられました。更に元禄5年(1692年)には徳川光圀(水戸黄門)が「嗚呼忠臣楠子之墓」の碑を立て、墓所を建立しました。
幕末から維新にかけて勤皇家の理想像として正成公は崇敬され、国家による楠社創建の気運が高まりました。明治元年(1868年)明治天皇は大楠公の忠義を後世に伝えるための神社創建を命じ、明治5年(1872年)5月24日に湊川神社が創建されました。
境内
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表門の額 |
神戸の市街地に鎮座する湊川神社は街中にあり、創建されたのも比較的新しいこともあり、平地でとても参拝しやすくなっています。境内には本殿をはじめ、社務所・参集殿、楠公会館、宝物殿、神能殿といった建物や末社の楠本稲荷神社、さらに兵庫県神社庁などもあります。
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表門 |
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有名な菊水紋 |
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境内案内図 |
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これを読んで楠木正成公の業績を振り返ります。 |
摂社には楠木正成夫人滋子を祀る甘南備神社があり、本殿に合祀されています。末社には楠本稲荷神社、菊水天満神社があります。
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末社の楠本(くすもと)稲荷神社の鳥居 |
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この左に兵庫県神社庁があります。 |
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参道の鳥居 |
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社務所 |
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手水舎 |
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社殿。殉節地はこの左奥のようです。 |
宝物殿
昭和38年(1963年)に建てられた宝物殿には重要文化財の大楠公着用と伝わる鎧「段威腹巻」や、真筆といわれる「法華経奥書」など多数のゆかりの品を展示しています。こちらの開館時間は午前9時30分から午後4時30分で毎週木曜休館日で、拝観料は大人300円、高校・大学生200円、小中学生100円となっています(団体割引あり)。
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本殿から正門方向を見た風景 |
御墓所と光圀公像など
神社の南東、正門から入ってすぐ右方向に大楠公以下一族の御墓所(史跡・楠木正成墓碑)があります。これは元禄5年(1692年)に権中納言徳川光圀公によって建てられた碑で、亀の背に乗せられている要に見えますが、これは「贔屓(ひき)」という伝説上の生物で、石碑の台になっているのは「亀趺(きふ)」とも言うそうです。
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「嗚呼忠臣楠子の墓」碑 |
同所には昭和30年(1955年)に完成した徳川光圀公の銅像もあります。
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徳川光圀公銅像
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のちに、吉田松陰は楠公の墓所を4度も参詣し、松下村塾にて久坂玄瑞、高杉晋作など多くの門下生に楠木正成公の話を熱く語ったそうです。
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吉田松陰ゆかりの楠公墓所 |
●湊川神社公式サイト →
http://www.minatogawajinja.or.jp/
アクセス
阪急、阪神、山陽各私鉄の高速神戸駅からは東改札を出て右の階段を上ると正門前に。JR神戸駅からは北(北西)に徒歩約3分で国道28号線沿いの当社が見えます。地下鉄大倉山駅からは南(南東)方向に進み神戸市立中央体育館を越えてすぐです。
車で国道2号線からの場合、東川崎交差点を北東(山)方向に曲がり、有馬道交差点を右折して約100m。多聞通4交差点を左折(山向き)すると右手に神社地下の有料駐車場(タイムズ)への入口や当社の駐車場(約20台分)入口があります。付近にはコインパーキングもいくつかありますが、神社北隣の体育館の東側に地下の比較的大きい大倉山駐車場(有料)への入口もあります。
その他、周辺には神戸市立中央体育館をはじめ神戸地方裁判所、神戸文化ホールなど目印になる施設が多いです。
Minatogawa Shrine(Chuo Ward,Kobe City,Hyogo Prefecture)
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