石塚古墳群
2017年6月訪問
石塚古墳群(いしづかこふんぐん)は大阪府南河内郡河南町にある古墳群です。スーパーの駐車場の中に点在する柵で囲われた草地には古墳を示す説明板が立てられています。スーパーの敷地の中でも端のほうで余り目立たない上に、石塚古墳群自体発見されたのがこのスーパーの建設直前の調査ということで、かなり最近の話なのでまだまだ存在を知らない人も多い知る人ぞ知る古墳群といえます。駐車場の中にある古墳 |
歴史と概要
石塚古墳群は平成26年(2014年)3月7日にオープンした「スーパーセンター オークワ 河南店」の東側駐車場の中にあります。スーパーのオープン以前のこの地はほとんどが田畑として利用されていて古墳の存在は知られていませんでしたが、建設工事に先立つ調査によって発見され、平成24年(2012年)7月から10月にかけて発掘調査が行われました。
この古墳群は4基の古墳からなり、この時の調査ではその内の3基(2、3、4号墳)が対象となりました。その調査によると、古墳が造られたのは6世紀後半の古墳時代後期で、400mほど南にある金山古墳よりも古いようです。
石塚2号墳の説明板 |
古墳の現状
4基の古墳のうち1号墳だけスーパーの南側の敷地外となるようで、隣接する2~4号墳ヶ発掘調査されました。それによると、2~4号墳は直径12m前後の円墳と比較的小型で埋葬者は不明ですが、埋葬時の状況を比較的良好に留めていたようです。
中世前半にこの辺りは開発され、起伏は均され古墳も埋められて田畑になったようです。現在はスーパーの駐車場の中ですが、調査後に埋め戻された石室とその周辺は柵で囲われ保存されています。説明板しかありませんが、金山古墳の見学やスーパーでの買い物の時に見学されてはいかがでしょう。また、1.5kmほど南には建水分神社もあります。
現在の石塚2号墳の様子 |
・2号墳 玄室 復元長:3.0m 幅1.8m
羨道 復元長:1~1.5m
開口方向:西
出土品:耳環、土器、鉄製鎌、刀子(小刀)など
石塚3号墳の説明板 |
・3号墳 玄室 復元長:3.5m 幅1.8m
羨道 復元長:1.4m
開口方向:南南西
出土品:土器、鉄製農機具、耳環、勾玉など50点以上
現在の石塚3号墳の様子 |
・4号墳 玄室 復元長:3.4m 幅1.9m
羨道 復元長:0.9m
開口方向:西南西
出土品:土器、鉄製斧・鎌、玉類など
石塚4号墳の説明板 |
現在の石塚4号墳の様子 |
また、1号墳については駐車場内に案内板はありませんでしたが、資料などから推定するとスーパーの敷地外、南側にあるこの塀で囲われた辺りにあったと思われます。
スーパー南側の敷地外の1号墳と思われる一画(2018年3月撮影) |
アクセス
車で大阪市内、富田林などから向かう場合は国道309号線を南下し、河南町の「神山南」交差点をそのまま直進し1km先にスーパーセンターオークワ河南店があります。
奈良(御所市)方面からは、国道309号線で水越峠を越え、5kmほど下ると千早赤阪村水分で左が国道309号線(森屋)、右が府道27号線(大阪(平野)・富田林方面)へ向かう分岐があります。ここは道なりに右の府道27号線に入り約1.5km下ると右手に前述のスーパーがあります。
奈良(御所市)方面からは、国道309号線で水越峠を越え、5kmほど下ると千早赤阪村水分で左が国道309号線(森屋)、右が府道27号線(大阪(平野)・富田林方面)へ向かう分岐があります。ここは道なりに右の府道27号線に入り約1.5km下ると右手に前述のスーパーがあります。
公共交通機関では近鉄長野線富田林駅から金剛バスで芹生谷バス停下車。200mほど(北へ)戻ると左手にスーパーがあります。
また、河南町内の移動はコミュニティバスの「カナちゃんバス(南部)」も便利です。
●河南町ホームページ カナちゃんバス →http://www.town.kanan.osaka.jp/kakukanooshirase/somubu/somuka/oshirase/comibus/1451962323465.html
●全国遺跡報告総覧 芹生谷遺跡・石塚古墳群(PDFファイルに調査報告・写真あり)→http://sitereports.nabunken.go.jp/ja/18466
●全国遺跡報告総覧 芹生谷遺跡・石塚古墳群(PDFファイルに調査報告・写真あり)→http://sitereports.nabunken.go.jp/ja/18466
●スーパーセンターオークワ河南店→https://www.okuwa.net/store/osaka/490.html
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