勝光寺(河内長野市) ・滝行とササユリで知られる寺院

勝光寺

2019年6月訪問
勝光寺(しょうこうじ)は、大阪府河内長野市日野にある寺院です。山号は松尾山で宗派は真言宗。勝負宰不動尊(しょうぶさいふどうそん)とも呼ばれるこの寺院は、河内長野市の住宅街から少し山に入ったところにあります。

勝光寺(河内長野市)
勝光寺(河内長野市)

比較的新しい寺院ながら、「ささゆりの寺」や「滝行の出来る寺」として、河内長野市の観光案内はもとより、テレビなどのメディアでもよく取り上げられています。





歴史と概要

勝光寺の縁起によると、開山は昭和35年(1960年)の春で、開基は井本凡勝(いもとぼんしょう)となっています。本尊は勝負宰不動尊といい、右手に剣、左手に道に迷った若者を抱いた不動明王。

昭和31年(1956年)の夏に開基が見た霊夢にて不動明王の啓示があり、その後昭和35年の春に当山との出会いがあって勝負宰不動尊勝光寺を開いたとされ、「本気で人生に挑戦する人々の心身を鍛え、勇気を与え、己に克つ力を高め、勝運を授け、豊かで幸せな人生の実現を祈願します。」とのこと。

勝光寺(河内長野市)
勝負宰不動明王縁起

南花台の住宅街のすぐ南ですが、当寺の周辺は森となっており、5kmほど南には岩湧山の山頂が控えています。

現在は、「人生の勝利者を育てる不動尊」や、「お滝のある寺」、「笹ゆりの寺」として河内長野市の観光地としても案内されている他、テレビなど様々なメディアでも取り上げられています。

境内

うじの隧道東側にある寺院の入口から坂を下ると20台ほどとめられる駐車場があります。

勝光寺(河内長野市)
本堂への上り坂

駐車場の一角から本堂などのあるエリアへ向かう上り坂があり、その左には後述の滝などへつながる下り坂も見えます。

勝光寺(河内長野市)
手水鉢や不動明王像

坂の上り口の右手には縁起を記した説明板や手水鉢、不動明王像があります。

勝光寺(河内長野市)
長寿庵

坂道を上ると途中左手に滝へ下る道の看板がありますが、まずは真っすぐ進みます。上り坂がやや右にカーブし、「長寿庵」の額がかかった建物(寺務所)が見えると本堂のあるエリアまでもうすぐです。

勝光寺(河内長野市)
持国天尊と三十六不動童子尊・大日如来尊

坂を上りきると、「持国天尊」像が見え、その右奥には多くの石像が置かれた小高い石の塚があります。

勝光寺(河内長野市)
大日如来十二天を祀る

こちらは「三十六不動童子尊」や「大日如来尊」と彫られており、さらにこの石塚の中には「大日如来十二天」が祀られていて自由にお参りできます。

勝光寺(河内長野市)
本堂周辺の境内の様子

「三十六不動童子尊」の前から右に視線を向けると、いくつかの建物があり、最も奥の方に鐘楼があることがわかります。

勝光寺(河内長野市)
本堂

まず、手前にある大きな建物が本堂。

勝光寺(河内長野市)
護摩堂

本堂から少し奥に進むと六角形の建物がありますが、こちらは護摩堂のようです。

勝光寺(河内長野市)
弘法大師像

鐘楼の手前右側には弘法大師(修行大師?)像があります。

勝光寺(河内長野市)
地蔵菩薩像

鐘楼の左手には地蔵菩薩像も。

勝光寺(河内長野市)
鐘楼

そして、本堂のあるエリアのもっとも奥(北)にあるのが鐘楼で、木造のしっかりした建物となっています。

勝光寺(河内長野市)
笹百合 花供養碑

また、鐘楼の左奥には「笹百合 花供養」と彫られた石碑がたっており、勝光寺ではササユリが特に大切にされていることがわかります。

滝行

駐車場から本堂へ向かう上り坂の途中にあった分かれ道から滝のある行場などへ行けます。

勝光寺(河内長野市)
行場への道にある看板

看板には「図書室 お滝 仏画会 写経会 研修場」と書かれています。ネット上の情報では、個人だけでなく、企業などの集団で研修や修行に来られる方も多いとか。

勝光寺(河内長野市)
滝への道

坂を下りきると少し広場の様になっていて、そこからさらに奥の滝まで向かう道があります。

勝光寺(河内長野市)
滝から流れてくる小川

小川に沿った小道を上流にさかのぼって行くと、ほどなくして建物が見えて来ます。

勝光寺(河内長野市)
太多福滝

建物を過ぎると、いよいよ行場である滝が見えて来ます。この滝は、かつて周辺の人たちが「お多福壺」と呼んでいたそうで、今は「太多福滝」と呼ばれているようです。

勝光寺(河内長野市)
赤い鳥居

先ほどの広場の様な場所から駐車場方面に向かうと、木々の間に赤い鳥居がありました。行場である滝には「太多福大神」を祀っているそうなので、その鳥居かもしれません。

ササユリ

今は「笹百合の寺」として有名な勝光寺ですが、ホームページによると、先代住職がこの寺勝光寺周辺にササユリが多く自生していたので、大切に守り育ててこられたそうです。一時は全山に500本も咲き誇り、多くの参拝者を楽しませてきましたが、平成の初め頃から環境の変化で徐々にその姿が減ってきました。その主な原因が猪で、これがササユリの根を喰い荒らし絶滅寸前になったそうです。

その後、ササユリファンの熱烈な要望もあったことから、特に猪が寄りつかないような対策をし、少しずつ復活したそうです。

勝光寺(河内長野市)
本堂裏手のササユリ

現在、6月頃になると、境内の森の中や参道沿いに可憐なササユリの花が咲いているのを見ることが出来ます。勝光寺では毎年6月初めごろに「ささゆり花祭」が執り行われ、花だけでなく野点や園芸をも楽しめます。

その他、お寺の情報や修行、ササユリのリアルタイム情報などは勝光寺のホームページなどでご確認ください。

●真言宗 松尾山 勝負宰不動尊 勝光寺 →http://www.syokoji.jp/index.html

アクセス

勝光寺は河内長野市の住宅街、南花台の南にあります。

大阪方面からは、国道170号(外環状線)「上原町」交差点から東に約1.7kmの「南花台」交差点を右折、和歌山方面からは国道371号線「石仏北」交差点から約1.6kmの「南花台南」交差点を左折します。「南花台」、「南花台南」交差点はいずれも国道371号のバイパスから側道を上った所で、そこから南西に1.3kmほど進んだ住宅街の端の信号(うじの大橋西詰)を右折すると、すぐに左側に勝光寺の看板と入口が見えて来ます。

勝光寺(河内長野市)
寺への入口(左後方に坂を下る)

公共交通機関では、南海高野線「三日市町」駅から南海バスに乗り「南花台四丁目」バス停下車。南(大矢船北町方面)へ200mほど坂を下った先の信号を右に入ると50mほどで左手に勝光寺の看板と入口が見えます。

Syoukouji Temple(Kawachinagano City,Osaka Prefecture)


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