高須神社(堺市堺区) ・駅名にもなった鉄砲鍛冶ゆかりの稲荷社

高須神社

2018年12月訪問
高須神社(たかすじんじゃ)は大阪府堺市堺区北旅籠町東(きたはたごちょうひがし)2丁にある神社です。戦国時代から江戸時代にかけて、貿易だけでなく鉄砲の産地としても知られるようになった堺の町の北東端にある神社で、その創建には鉄砲も関係しています。

高須神社(堺市堺区)
高須神社(堺市堺区)

現在では、阪神高速と阪堺電気軌道(阪堺電車)阪堺線に挟まれた公園の隣にある神社、といった印象もありますが、その名は交差点名や鉄道駅(停留所)名にもなっています。


歴史と概要

境内にある説明板によると、高須神社の創建は大坂冬の陣後の元和元年(1615年)に鉄砲鍛冶の芝辻理右衛門(しばつじりえもん)が徳川家康から高須(当神社付近)の地を授けられたことに始まります。

芝辻理右衛門は、紀州根来出身の刀鍛冶で日本最初の火縄銃の製作者ともいわれる芝辻清右衛門(妙西)の孫で、名は助延(すけのぶ)、号は道逸。堺の鉄砲鍛冶であった理右衛門は、慶長14年(1609年)に徳川家康から鉄張の大砲を作ることを命ぜられ、砲身一丈(約3m)、口径一尺三寸(約39cm)、砲弾重量一貫五百匁(約5.6kg)の鍛造砲を作りました。

慶長19年(1614年)の大坂冬の陣の際には、急遽1000挺(丁)の火縄銃を製造するように命ぜられますが、これにも応えた理右衛門は家康から高須の地を授けられます。その後
、芝辻家は自らと堺の鉄砲鍛冶の繁栄を願ってこの地に稲荷明神を勧請し当社を創建しました。

明治の末には周辺のいくつかの神社を合祀したようです。

高須神社(堺市堺区)
説明板

「高須のお稲荷さん」とも呼ばれる高須神社の御祭神は豊受大神、猿田彦命、大宮姫命、大物主命となっていますが、他に多数の境内社も祀られています。

当社の鎮座地は旧堺市街地の北東角に位置し、環濠である土居川が北側と東側を流れていましたが、昭和40年代には大部分が埋め立てられ南北に細長い土居川公園などになっています。現在の神社の周囲は、北側に堺市道三宝高須線が走り、東部分は土居川公園、平面道路の堺市道砂道翁橋線、高架道路の阪神高速15号堺線、そして西側に阪堺電車の線路が通っています。また、南側には細い道路を挟んで民家や阪堺電車の高須神社停留場があります。

なお、堺の旧市街では堺南組(大小路以南)の氏神社で「大寺さん」とも呼ばれる堺区甲斐町東の式内社開口神社(あぐちじんじゃ)と、堺北組(大小路以北)の氏神社である堺区北旅籠町東の菅原神社(堺天神)が知られています。

境内

高須神社の境内には東側の公園からも入れますが、鳥居は駅のある南側に建っています。

高須神社(堺市堺区)
鳥居

神社の境内は朱に塗られた玉垣で囲われており、南側に建つ鳥居も朱色となっています。

高須神社(堺市堺区)
北東より

境内は東西約18m、南北約24mの長方形で、厳密には鳥居が南南西を、社殿が東南東を向いています。

高須神社(堺市堺区)
参拝所

2階建ての高須神社の社殿は、拝殿や社務所、参集殿なども兼ねているようで、北東側に賽銭箱などが置かれた拝殿(参拝所)になっています。この中には千鳥破風付きの屋根を持つ本殿が納められています。

高須神社(堺市堺区)
境内社の案内

参拝所に向かって右手の玉垣に目をやると、多くの境内社の名が書かれた看板があります。

高須神社(堺市堺区)
東側から見た社殿北面

建物の北面に回ると、奥の線路側に向けてずらりと境内社が並んでいます。

高須神社(堺市堺区)
八つの境内社

こちらには様々な神様が祀られていて、その御神徳も多岐にわたります。

境内社は御神徳ごとに8つに分けられており、それぞれ祀られているのは、三宝荒神宮(家内安全)、翁天満宮(試験合格)、天津神霊宮(無病息災)、萬願石宮・歓喜天宮・弁財天宮(開運厄除)、淡島神宮・水児供養宮(女性の守護神)、白玉龍王宮(病魔退散)、大地主宮・三輪明神宮(家運隆盛)、天白稲荷社・末廣稲荷社・御剱稲荷社(商売繁盛)となっています。

高須神社(堺市堺区)
北側の公園入口付近から

高須神社の境内としては社殿の周囲のみですが、北側から東側にかけて神社と一体感のある公園(土居川公園の北端)になっています。

高須神社(堺市堺区)
殉職警察官の碑

また、公園の北側入口から入り高須神社に向かう途中、線路側(西側)には「殉職警察官の碑」が建っています。

阪堺電車と高須神社停留場

高須神社に西側には境内に接する形で阪堺電車阪堺線の線路が南北に走っており、高須神社のすぐ南に高須神社停留所(駅番号HN17)が設けられています。

高須神社(堺市堺区)
神社北側の踏切より

高須神社(堺市堺区)
線路から見た高須神社

高須神社(堺市堺区)
「たかすじんしゃ」停留所

高須神社(堺市堺区)
天王寺駅前・恵美須町方面ホーム付近より

この停留所は明治44年(1911年)12月1日に開業した歴史ある駅ですが、「神社」の読みは「じんじゃ」ではなく「じんしゃ」となっています。これは車内アナウンスでも同様だそうで、なぜそのような読みになったかは不明だそうです。

アクセス

阪堺電気軌道阪堺線「高須神社(たかすじんしゃ)」停留場から東に15mほどで鳥居があります。

高須神社(堺市堺区)
神社入口と阪堺電車

国道26号「鉄砲町北」交差点からは東に約750m、イオンモール堺鉄砲町最寄りの南海本線「七堂」駅からは東に約500m。また、府道30号大阪和泉泉南線「砂道」交差点からは西に約300m、南海高野線「浅香山」駅からは西側にある前出の「砂道」交差点に出るコースで約650mです。

高須神社に駐車場は無いようなので「七堂」駅付近でコインパーキングを利用し、鉄砲鍛冶屋敷跡や堺市立市町家歴史館清学院などと一緒に回ると良いかもしれません。

Takasu Shrine(Sakai Ward,Sakai City,Osaka Prefecture)


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