塩谷古墳公園(船井郡京丹波町) ・道の駅・PAに隣接し「みこはに♡ビーンズ」が生まれた古墳群

塩谷古墳公園

2021年10月訪問
塩谷古墳公園(しおたにこふんこうえん)は京都府船井郡京丹波町曽根塩谷にある史跡公園です。京都府の中央部に位置する船井郡京丹波町内の小高い丘に造られた12基の古墳から成り立つ塩谷古墳群を保存・整備した公園で、同古墳群からは全国的にも珍しい2体の巫女形埴輪が出土したことでも知られています。

塩谷古墳公園(船井郡京丹波町)
塩谷古墳公園(船井郡京丹波町)

塩谷古墳公園は散策路(遊歩道)を歩きながら身近に古墳を感じることが出来る公園で、一般道だけではなく、有料道路のパーキングエリア(PA)からも利用可能な道の駅に隣接していることから、車でのアクセスも抜群です。また、出土した2体の巫女埴輪を擬人化した公式キャラクターも登場し、地元の魅力発信に貢献しています。


歴史と概要

現地説明板や町、あるいは道の駅のホームページ、京都新聞の記事などによると、塩谷古墳群は標高150m以上の山々からなる丹波高原内の開けた小盆地南西部の低丘陵上に位置しており、現在は見学可能な古墳公園として整備されています。

森や田畑に囲まれたこの地が土砂採取の場所に選定され、京都府教育委員会が丘陵上を事前踏査した際に発見されたのが当古墳群でした。新たに発見された古墳群では発掘調査を実施することとなり、府教委と府埋蔵文化財調査研究センターによって平成元年(1989年)に調査を実施しました。

塩谷古墳公園(船井郡京丹波町)
案内板

その結果、塩谷古墳群は12基の古墳からなる古墳群であることがわかりました。塩谷古墳群を構成する古墳は全て丸い形をした円墳で、その規模は直径8mから最大15.5mの大小様々なサイズで築かれていました。

保存状態の良い古墳の調査から、墳頂部に長方形の穴を掘り、その中に直接木棺を置く方法で死者を埋葬したことが分かりました。また、出土した当時の土器や鉄製品などから、築造時期は古墳時代中期の終わり(5世紀末)から古墳時代後期の初め(6世紀前半)にかけて継続的に築造された古墳群であると考えられています。

墳丘の重なり方や出土品から、5号墳→4・8号墳→3・7号墳→2・11号墳の順に築造されたことも判明しています。最初に造られたと考えられる5号墳は最も大きく、最も高い位置にあり、その後の古墳群を築造する切っ掛けになった人物が埋葬されていたと考えられます。そしてこの5号古墳から平成元年8月に発掘されたのが、全国でも貴重な2体の人物埴輪(巫女型埴輪)で、これにより塩谷古墳群は一躍脚光を浴びました。

塩谷古墳公園(船井郡京丹波町)
道の駅内の展示(埴輪はレプリカ)

塩谷古墳群は、京都府の歴史を考える上で重要な遺跡であることから保存されることになり、当初土砂採取を計画していた府の農林水産部の協力によって塩谷古墳公園として整備されました。

塩谷古墳群は京丹波町の史跡に指定された他、5号墳から出土した2体の巫女形埴輪は京都府の有形文化財に指定されました。

みこはに♥ビーンズ

塩谷古墳公園の東側にある「道の駅 京丹波 味夢の里(あじむのさと)」は、平成27年(2015年)7月18日に開駅した国道478号(京都縦貫自動車道)の道の駅で、上下集約型の京丹波パーキングエリアと一体化した施設です。農産物や地元の名産品を扱う大型の直売所の他、レストランや食堂、カフェ、上屋(交流広場)、ミーティングルーム、さらには宿泊施設としてフェアフィールド・バイ・マリオット京都京丹波も併設しています。また、道の駅京丹波味夢の里は、有料道路である京都縦貫自動車道だけではなく、一般道である府道444号桧山須知線からも利用可能です。

道の駅京丹波味夢の里には、塩谷古墳群から平成元年に出土した2体の巫女埴輪をモチーフにした塩谷古墳公園のキャラクターが作られました。味夢の里ではこの2人のキャラクター(Miko)には人と人とを結びつける「縁結び」パワーがあると信じ「Miko twins」と名付け、「巫女うどん」、「巫女フィナンシェ」、「巫女ティー」などの味夢の里オリジナル商品が販売されています。

塩谷古墳公園(船井郡京丹波町)
「みこはに♡ビーンズ」

その後(あるいはそれとは別に)、味夢の里では「2体の美しい巫女埴輪」の擬人化キャラクターを募集したところ274作品の応募があり、その中から5組を選抜してWEB上・味夢の里投票所にて総選挙を行いました。その結果、1644票もの投票で選ばれたのが「みこはに♥ビーンズ」だそうです。

みこはに♥ビーンズは姉のみみ(ピンク髪)と妹のここ(水色髪)の二人で、全国的にも珍しい(古墳からの)出土系アイドルとして味夢の里を盛り上げ、京丹波町と塩谷古墳の魅力を伝えることが夢とのことです。合言葉は「みこっとにこっと」。また、ホームページによると「道の駅『京丹波 味夢の里』の隣にある、塩谷古墳から出土した2体の巫女埴輪!大好きな京丹波特産品『丹波黒大豆』を食べ続けていたら不思議な力で丹波美人のアイドルに大変身☆」ということで、現在は味夢の里の宣伝部長として活躍しているようです。

●道の駅 京丹波味夢の里 公式ホームページ →http://ajim.info/

●みこはに♡ビーンズ公式Twitter →https://twitter.com/_micohoney

ちなみに、京丹波町には食のキャラクター(ゆるキャラ)として「味夢くん」も存在します。


古墳公園の様子

塩谷古墳公園は道の駅・PAに隣接しているので、京都縦貫自動車道、あるいは府道444号から訪れることになります。公園には塩谷古墳群の12基の古墳の内、1号墳を除く11基が保存・整備されています。

塩谷古墳公園(船井郡京丹波町)
道の駅から古墳公園への入口

塩谷古墳公園へは、道の駅の建物と、その北側にある京丹波の山々をモチーフにした屋根の形が特徴的な上屋(交流広場)の間を少し西に歩きます。

塩谷古墳公園(船井郡京丹波町)
道の駅にある案内板

途中にカラーの案内板が設置されています。裏側は多少レイアウトが違いますが基本同じです(当記事2枚目の写真)。

塩谷古墳公園(船井郡京丹波町)
東側から見た古墳公園

道の駅の舗装された外周道路まで来ると、西側の眼下に塩谷古墳公園が見えて来ます。

塩谷古墳公園(船井郡京丹波町)
花壇

階段と坂道を通って下りると、右手に円墳をイメージしたものかは不明ですが、2つの丸い花壇があります。

塩谷古墳公園(船井郡京丹波町)
南から北を望む

小高い丘の上にある古墳群へは左手の坂道を上ります。

塩谷古墳公園(船井郡京丹波町)
東側の丘の上にある道の駅

丘の南側から登って右手を見ると、先ほどまでいた道の駅が見えます。ここで北を向くと、左に6号墳があり、右手の斜面に10,9,12号墳が並んでいます。

塩谷古墳公園(船井郡京丹波町)
5号墳

丘の上を少し北に進むと、最も高い位置にあり、最も大きく、最初に造られたと考えられる5号墳があります。2体の巫女埴輪が出土したのがこの5号墳です。5号墳には墳頂への階段もあります。

塩谷古墳公園(船井郡京丹波町)
丘の上の案内板

丘の上の西寄りにも先ほどと同じ案内板が設置されています。

塩谷古墳公園(船井郡京丹波町)
5号墳西側から北を望む

5号墳から順に北に向かって4号墳、3号墳、2号墳と並び、5号墳と4号墳の間の東側に8号墳があります。

塩谷古墳公園(船井郡京丹波町)
北側にある府道側出入口

丘の北寄りには5、4、3、2、8号墳を囲むように散策路が周回しており、その周回路の北端付近には北に延びる長い階段があります。この階段を下った先が府道444号からの塩谷古墳公園入口となっています。府道側の出入口にも駐車場やトイレがある他、「塩谷古墳公園」の石碑もあります。また、階段西側の斜面には大きな巫女埴輪が描かれているようです。

塩谷古墳公園(船井郡京丹波町)
丘の北端付近から南を望む(右は2号墳)

周回路を歩き、丘の東側を南に進むと左手(東側)の斜面に11号墳と7号墳が並んでいます。

塩谷古墳公園(船井郡京丹波町)
古墳を“感じられる”公園

このように、塩谷古墳公園は長閑な風景の中にある小高い丘の上に設けられた散策路を歩き、ほど良い運動をしながら古墳を間近で見ることが出来る公園になっています。現在、埋葬施設などは見られませんが、貴重な埴輪が出土した古墳の規模や雰囲気を感じることが出来る公園として価値があります。


なお、大阪南河内にも一須賀古墳群(近つ飛鳥風土記の丘)、寛弘寺古墳公園金山古墳などの実際に立ち入り可能な古墳があります。


アクセス

一般道では、国道9号「須知」交差点から府道444号桧山須知線を西に進み約1.1km先で左折。さらに60mほど先の分岐を右に入ると目の前に塩谷古墳公園入口があります。駐車場は公園入口前の道の駅京丹波味夢の里第3駐車場が最寄りです。

有料道路である京都縦貫自動車道では上り下り共用の京丹波PAに駐車して道の駅京丹波味夢の里の建物を抜けて左に進むと眼下に古墳公園があります。


公共交通機関では、JR西日本山陰本線「日吉」駅、「胡麻」駅、「下山」駅、「和知」駅などからも乗車できる京丹波町のコミュニティバス(町営バス)に乗車し「味夢の里」バス停で降りると近くて便利です。他に、鉄道駅と連絡していない町営バス丹波桧山線には「塩谷古墳公園前」バス停があります。


Shiotani Tumulus Park(Kyotamba Town,Kyoto Prefecture)


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